最近、改めて広告関連の仕組みに携わる機会が増えました。
というのも、2021年以降、アドテクの仕組みそのものに影響するような事があると予測されるからです。
その一番は、ATT( App Tracking Transparency)と、cookieの取り扱いについてです。

ATT(App Tracking Transparency)とは、簡単にいけば、Appleの新しい広告トラッキングガイドラインで、ユーザーの端末での利用状況を取得する(トラッキング)のを、事前にユーザーから許諾を得なさい。というものです。

もっと、ざっくりというと、ユーザーの利用状況を勝手に取得して活用するな。というものです。

世の中のほとんどの人が、WEBやアプリなどのトラッキングの事実を知りません。
レコメンドや広告などを見て、何となく自分の行動履歴が利用されているのかな?位にしか感じていないのかもしれませんし、それが自分自身の生活を脅かすものでもない。と感じていると思います。

  ATTと日常生活

では、一般の人が、トラッキングされていたら、怖いなーと思うものには、どういったものがあるでしょうか?

・GPSデータ
・ヘルスケアデータ
・クレジットカードデータ
・購買履歴

ざっと考えただけでも、この4つは、他人に知られるということは、誰もが歓迎しないと思います。
世の中には、DMPという仕組みが存在します。最近では、CMなどを行っているMAツールと呼ばれるものも、近しい仕組みです。
これは、何をしているか?というと、自社で保有している様々な人々のトラッキングデータを、他社のものと紐づけて、利用する。といったもので、使い方次第では、非常に危険なものです。

以前のブログで、「ターゲティング広告2021年」というのを書き、そこでも触れましたが、広告業界では、トラッキングやセグメントといった言葉に洗脳されているように感じてしまいます。

https://staging.xcrat.biz/entry/2299

  GPSデータの危険性

話は戻しますが、実はGPSデータのDMP的なサービスも日本国内に存在します。
正直なところ、自分自身のGPSデータをそのように活用されていると思うと、気持ちがよいものではありません。
そもそも、GPSのデータを本人以外が蓄積していること自体に、不快感を感じます。
確かに、GPSデータを活用すれば、そこに訪れた事のある人向けに、広告をだせます。
例えば、新宿に毎日来ている人に、新宿店の広告をだせば、広告の効果は、あがる可能性があります。
ただ、これってある意味、ストーカーというか、デジタル尾行ですよね。
儲かれば、何をしてもよいのか?と思ってしまいます。

  ヘルスケアデータ

私は、ヘルスケアデータ。と聞いて、一番ピンとくるのは、健康診断です。
健康診断のデータって、実は健保組合が勝手に活用しているって、知ってる人はどの程度いるのでしょうか?

企業の人事などを行っている人であれば、ご存知かもしれませんが、社員の健康診断のデータを、送付してほしい。という案内が、健保からきます。

私は、今まで一度も応じたことがありません。
理由は簡単です。
それを使って、商売することが、見え見えだからです。
研究のため。とか、健康促進のため。などと記載していますが、それならば、実際の研究機関や医療機関が収集できる仕組みをつくればよいだけで、それぞれの健保組合が、仲介する意味はありません。

弊社では、バイタルチェック(Vital-Check)というヘルスケアサービスを提供しています。
また、今後もヘルスケアの分野で様々なサービスの展開を予定しています。
私たちの会社の創業の目的でもある、個人のデータは、個人のものである。という理念に基づき、それをどう活用するのか?を、一人一人が決めれる仕組みをつくりたいと考えています。

  クレジットカードデータと購買履歴

クレジットカードの情報は、一歩間違えれば犯罪に利用されますし、自分自身の財産を失うおそれもあります。
それと合わせて、購買履歴も同様です。その人の財産などを把握するのに利用することができてしまうからです。
購買履歴のデータの年間合算額が、500万を超えていれば、少なくとも500万以上の年収があると推測されてしまいます。

  ATTが目指すもの

話はATTから少しそれてしまいましたが、Apple社の今回の取り組みは、非常に有意義であると感じています。
また、Googleをはじめ、WEBの世界でも、Cookieの取り扱いについて制限されることが予測されます。

人々は、自分達の生活がテクノロジーによって便利になることは、望んでいると思われます。
実際に、新たなテクノロジーの恩恵を受けて、生活が豊かになった人は、多数いると思います。

一方で、広告業界をはじめ、少し別のベクトルに意識が向きすぎているのでは?と感じてしまいます。

ATTは、そういった意味で、データの所有者は、個人であり、個人の同意なしに、好き勝手していた、広告業界に対する警告でもあると感じています。

クラト株式会社は、創業からの理念として、「個人のデータは個人のものであり、個人が、自分の意志で、データ活用するための仕組みを提供し、個人の人生が、今まで以上に豊かになる」ことを目指しています。

これは、ある意味、これからの世界のテクノロジー企業に求められるポリシーのようなものであり、新たな世界のスタンダードであると考えています。