横浜市のホームページリニューアルのトラブル
先日、両親から「地区センター」の体育館の空き状況が知りたい。と言われたので、市のホームページを見てみると、非常に見づらい。
印刷もままならない。エクセルに転記しようとしても、綺麗にコピーさえできない。
毎年、高い税金払っているのに、これはあまりにひどすぎると思い、市に電話をしてみると、同様の意見が多数あり、現在リニューアルを検討中です。との回答をもらった。
まあ、問題視していて、リニューアルするのであれば、良かった。と思っていたら・・・
カナロコさんの記事を、一部引用させていただくが、
「14万ページあって、そのうち10万ページにリンクが貼られていない。」
「スマートフォンに対応していない」
「ページを開くのに6秒以上かかる」
まず、大前提として、14万ページのホームページって何なんでしょうか。
過去の色々な財産もあるのでしょうから、仮にそれだけ増えてしまったとしても、そのうちの10万件がリンクが貼られていない。
リンクが貼られていない時点で、ゴミと同様です。
スマホ対応は、時代の流れなので、仕方ないとしても、この膨大な量のコンテンツを整理するのは、横浜市の仕事。
市側は、業者の設計ミスだと言っている。
正直なところ、詳しい事は解りません。
実際に市の広報に電話をしてみました。
「今回の件について、横浜市側の責任はなかったんですか?それを第3者がしっかりと精査しましたか?と」
「・・・ 詳しい事は解りません。これからリニューアルをどうするか検討するところです」って。
ちょっと待ってください。私たちの税金が2億円も使われて、それはないでしょう。
個人的には、発注側である市側の要望・要件・整理整頓が出来ていなかったと思っています。
2億円を高いと思う人もいるかもしれませんが、14万ページですよ。正直、安いと思います。
本当に再検討しているのであれば、市のホームページで、RFP公開して、公募すればいい。
ホームページ制作におもうところ
システム開発にも、ホームページ制作にも、トラブルはつきものです。
でも、そのほとんどが、
- RFP(要望書)が不十分
- RFP(要望書)の内容と要件が変わっている。(途中でコロコロと変わる)
- 金額が安い
この3点ではないでしょうか。
RFPのルール策定などを実際に数社で行いましたが、おおよそ100万程度です。
今ではインターネットで様々な事例を見ることができるので、自分で作成される方もいらっしゃいます。
100万円って高いなーって思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これ、つくるのが結構大変なんです。
普通に一か月程度はかかりますし、ヒアリングを重ねて本当につくりたいものをドキュメント化する。すごく大変な作業です。
しかし、これを飛ばして、よくあるオーダーが、「こんな感じで」っていうのもあります。
ここがトラブルの原因!!!
私は、必ずヒアリングシートを作成します。その内容をしっかりとクライアントと確認をする。というのは、RFPをつくらないクライアントに対して、非常に大切な作業です。
IT業界の方々で、皆さんが悩んでいるのが、要望が、途中でコロコロ変わる事。ではないでしょうか。
これは本当に困ります。
ただ、これは議事録を残す。とか、定例会を開くなどの対応でしか、今のところ防ぎようがありません。
最後に、これは上記二つにも大きく関わる事ですが、そもそもの金額が安すぎる。という問題があります。
知り合いの制作会社の方々にも聞きましたが、ここ数年で、単価を正規料金に戻している会社が増えてきています。
Wixなど、簡単にホームページの制作ができる。といったツールが増えてきています。それでいいのであれば、自分で作ってみると解ります。
色々な事が、事足りないと。
フリーランスに頼めば安いとか、考えられている方も多いでしょうが、それは大きな間違いです。
ホームページは、つくることがゴールではない。
大切な事なので、もう一度書きます。
ホームページは、つくることがゴールではない。
制作会社など、企業や団体に頼む最大の理由は、運用をしっかりと行ってもらえる。点です。
そして、運用にもお金はかかります。
それを全く計算しないままに、予算取りをしているケースを、本当によく目にします。
最近、ホームページつくってほしいから、数十万でお願いできますか?という相談を受けます。
ハッキリ言って、数十万では一人の社員が5日稼働するレベルの金額です。
では、実際に5日でホームページは出来上がるんでしょうか???
私は、受注者にも発注者にもなります。
受注者の場合、クライアントには予算があります。その予算のなかで何ができるのか?を必ずお話しします。
予算で全てを実現できないケースが本当に多いからです。
コンビニでシュークリームが200円で売っています。それを高いと思うのなら、買わなければいい。
当たり前のことですよね?
発注側になる場合は、
実際に自分でどれだけのコストがかかるか?を算出します。当然、発注する作業の内容をある程度理解できるからです。
ホームページをつくる。
そんなに簡単な作業ではありません。
スマホ対応とかブラウザ対応とか、色々とテクノロジーの進化やユーザー環境の多様化により、本来であれば、もっともっとコストが上がっていっていいものです。
発注側も受注側も、今一度、この当たり前の事を、見直しませんか?
いつか、本当にホームページをつくる工程を詳細にセミナーなどで話してみたいものです。
それでも、高いと思われるのであれば、自分でゼロから勉強してやってみると、肌で体感できます。