弊社では、最近ホームページ制作パックというホームページの制作と運用、更にITコンサルティングまでを全てパックにしたサービスをリリースしました。

昨今、ホームページ構築は、ワードプレスなど様々なツールを用いて、以前よりも手軽に様々な企業やフリーランスの方々が構築できるようになりました。
一方、ホームページとSNSやLINEの連携、様々なシステムとの連携など、ホームページに求められる用途も増え、更に、サーバのメンテナンスや、GDPR(General Data Protection Regulation)をはじめとした個人情報の対策、セキュリティ対策など専門知識を今まで以上に求められることが多くなりました。
しかし、この10年ほどで、ホームページ制作の制作費用の単価が大幅に下がりました。価格が最優先となり、これら様々なリスクを理解しないままに構築しているケースが多く、結果として、せっかく構築したホームページによって、企業、団体のイメージダウンにつながっているケースもあります。
そのなかでも、特にホームページの運用をしっかりと行っていないケースがとても多く、ホームページ運用がどれだけ大切な事なのか?を書きたいと思います。

  ホームページの持つ意味

Internet Live Stats によると、世界のインターネットユーザーは、2021年度に50億人を超え、
WEBサイト数は、18億を超えました。

ホームページは、企業や団体の顔であり、ホームページの有無が信用性にも影響を与えるようになりました。
例えば、法人銀行口座を作るときに、ホームページの有無の確認があったり、様々な契約の際に、ホームページの有無を確認される機会が増えました。
また、飲食店などの店舗では、ホームページを持たないということは、それだけで機会損失が起きていることになります。

ただし、ホームページは作ればよい。というものではありません。
これはリアルな店舗と同じですが、店舗もメンテナンスや清掃を行わなければ、顧客は離れていきます。

ホームページも、しっかりとメンテナンスを行い、最新の状態に更新されていることは、見る側に対して、安心感を与えることができます。
半面、更新されていないホームページは、閲覧したユーザーに、不安感を与えてしまいます。

個人的には、メンテナンスを行っていないホームページは、マイナス効果の方が高くなってしまうケースが多く、それなら構築しないほうがよかった。という声をよく聞きます。

  実際の運用業務って?

では、実際にワードプレスを活用したホームページを運用するには、どのようなことを
しているか?ご存知でしょうか。
ホームページの運用というと、広告やプロモーションなどを想像される方もいらっしゃるかもしれませんが、それらは、ホームページの運用ではなく、広告プロモーション施策であり、全く別のものになります。

? サーバのメンテナンス
皆さんが利用しているパソコンは、OSやソフトウエアをはじめ、定期的にバージョンアップしています。サーバも同じです。
ただし、パソコンと違うのは、どのようなバージョンアップを行えばよいのか?を判断するのは、サーバの利用者側が行う必要があります。
日本では、JPCERT(https://www.jpcert.or.jp/)というサイトで、様々なセキュリティに関する情報が掲載されています。
また、各ソフトウエアのサイトにも掲載されており、これらから何をバージョンアップするか?を判定したうえで、サーバを最新の最適な状態に保ちます。

最近ではクラウドサーバを利用することで、これらのサーバの状態を自動で最新の状態に保ってくれるようなものもありますが、その分、利用料はかかります。

? ワードプレスの更新作業
日本のホームページ構築で、数多く利用されているソフトウエアです。ワードプレスには、本体の更新作業プラグインと呼ばれるオプションの更新作業があります。
ワードプレス本体の更新作業は、テスト環境にて検証を行い、サイトの表示等に不備がでないか?の確認を行います。
プラグインに関しても、本体を更新することで、プラグインが動かなくなる事は、多々あります。
そのため、必ずテスト環境で検証を行い、本体と同様にバージョンアップします。
ワードプレスの更新は、年間で数回は発生します。

「これらを更新があったときだけ、対応してほしい。」という声をたまにききますが、これは
非常に難しいです。中身を全て調査したうえでの実施となるため、結果的に費用が高くなってしまうケースがあります。

これらは、一例に過ぎず、例えばホームページを閲覧するためのブラウザのバージョンがあがったことによって、ホームページが適切に閲覧できなくなる。
といったこともあります。

これらは、車などをイメージしてもらうと解りやすいかもしれません。
車を購入すると、メンテナンスなどをディーラーにお願いするケースが多いと思います。
それらの費用は、保険であったり、パックになっていたりします。
車に詳しい人は、自分でオイル交換やメンテナンスをおこなったりもします。

  なぜ?ホームページの運用ができない企業が多いか

実際に、ホームページの運用を行っていない企業や店舗は多いです。
以下、ホームページの運用を行っていない理由のTOP3です。

1位:コストを払えない
2位:メンテナンスの必要性を理解していない。
3位:ホームページ構築を行った企業にそのスキルがない。

1位と、2位は同じような理由かと思われます。
ホームページを構築するのには、お金がかかります。
例えば、国の補助金なども、ホームページの構築には補助金などを出していますが、運用についての理解が全くありません。
3位については、IT業界の問題でもありますが、ホームページの構築には、本来、様々なスキルが求められます。
しかしながら、そのスキルを持ち合わせていないのに、低単価でホームページ構築を請け負っている企業が、沢山あります。

  セキュリティに100%安全はない

先ほども、書きましたが、ホームページの運用理由の一つとして、セキュリティ対策として、ソフトウエアやサーバ環境のバージョンアップを行う必要があります。
これらは、日々情報が更新されており、1年間メンテナンスを行っていない。となると、もしかしたら、手遅れな状態かもしれません。

歯磨きを想像してみてください。日々の歯磨きは当然ながら、定期的に歯科に通って、メンテナンスをしっかりと行ってもらわないと、虫歯になり、最悪抜歯なんてことも。

ホームページも同様です。
残念ながら、セキュリティに100%という言葉はありません。
日々のメンテナンスやチェックをどれだけしっかりと行えるか?が大切です。

  テスト環境って必要ですか?

答えから言えば、テスト環境は必要です。
テスト環境は、場合によっては、メンテナンス用に利用することも可能です。
ホームページは、24時間365日閲覧されています。

そのため、メンテナンスや修正を行う際には、閲覧者が少ない夜中や朝方に行われることが多いのですが、実際にメンテナンスをしてから確認を行ってしまうと、不備があるかもしれません。

そのためにも、テスト環境で事前にチェックを終わらせておく必要があります。
また、テスト環境であれば、コンテンツの更新などの練習もできます。

テスト環境の構築は、知識さえあれば、運用コストもほとんどかからずに構築することができますので、お勧めします。



  コストについて

最後に、コストについてですが、これはピンキリです。

しかし、構築費用の3%~5%は,毎月かかると思っていただいたほうがよいです。
構築の内容次第では、10%程度かかるということも多いです。

逆に運用コストが出せないのであれば、チラシのように更新しないホームページをつくる。
ということも可能ですが、それぞれのメリットデメリットを把握したうえで、判断していただきたいと思います。

昨今言われているDX(デジタルトランスフォーメーション)において、ホームページは、その第一歩でもあると思います。
顧客との大切な接点です。
リアルな店舗であれば、毎日掃除を行うように、ホームページも、日々閲覧する方を迎え入れる準備を行っておくことが非常に重要です。