弊社が考える経営者が最低限、知っておくべきこと

弊社も創業して、4年が経ち、5期目に突入しました。
5期目に突入し、会社としても様々な経験や知見がたまりました。

経営者としては、まだまだ新米ですが、過去の経営経験も含め、これから経営者を目指す人。
いつかは、経営者になりたい人。にとって少しでも参考になればと思います。

まず、経営者といっても、様々な企業があり、その企業の在り方や目的、目標によって、経営者が必要とされるスキルや知見が異なってきます。

例えば、飲食店でも、一人でバーを経営する経営者と、チェーン展開する居酒屋店を経営する経営者では、全く異なります。
弊社は、IT企業ですので、IT企業をベースに書かせていただきます。

弊社が考える経営者が最低限、知っておくべきこととしては、

1.企業の【軸】と【方向性】の決め方。
2.会計・経理の知識
3.業務に必要な法律知識
4.現場の知識
(IT業界に限って言えば、エンジニア、ディレクター、デザイナー、営業、広報など、最低でも2職種の経験は積んでおきたいです)
5.業界知識
(これは、IT業界というよりも、何かしら別の業界の知識・経験があるとよいと思います)
6.社会人としてのマナー
7.広報の知識(経営者自身の見られ方や見せ方など)

と、言い出すと、キリがありません。他にも、「日本からみた世界・世界からみた日本」や、「株式の知識」「人事・労務の知識」などなど。
しかし、1~7までの事は、IT業界でサラリーマンを5年以上経験していれば、一般的な知識は持っていると思います。
少なくとも、4~7については、サラリーマン時代の経験が役に立ちます。
なので、ここでは、1~3までの事のアウトラインを書かせていただきます。




  企業の【軸】と【方向性】の決め方

まずは、「1.企業の【軸】と【方向性】の決め方」ですが、企業のどのような企業を経営したいのか?を、3年・5年・10年までの大雑把な目標を立てることをお勧めします。
これは、そのまま、企業の【方向性】や【軸】になる部分です。

ここでいう、【軸】とは、企業の存在目的でもあり、企業のベースの信念のようなものでしょうか。
例えば、「xxxな世の中をつくるためにxxxをつくる」「xxxを提供する」「xxxの課題を解決する」

【方向性】は、企業の【軸】を達成するための手段や方法です。例えば、「社員を増やす。」「本社をxxxに置く」など、企業運営に必要な要素です。

企業生存率で言えば、50年間企業が存続する確率は、1%程度と言われています。
 
100社あれば、1社しか残らないということです。(業界にもよりますが)
そのなかで、「方向性」は、世の中の流れと共に常に変化するものであると思って下さい。
「軸」は、企業そのものであり、「軸」を変えるということは、何かを達成した時、または、行き詰った時と考えてください。

私自身は、この作業が大好きです。事業計画書とか収支計画書を立てるのは、非常に苦労しますが、企業戦略を考えるのが、とても好きです。まるでチェスや将棋のように正解が存在しないからです。
そして、これを決めれるのが、経営者の醍醐味でもあると思います。

  会計・経理の知識


 

次に、「2.会計・経理の知識」です。これは、税理士や会計士に丸投げでいいんじゃない?と考える方もいらっしゃいますが、自分の身体に置き換えてください。
自分の健康状態を気にしない人はいないですよね?少なくとも、健康であるために、運動したり、今では体温を測ったり血圧を測ったり。病気かな?と思った時に病院へ行き、医師に相談をします。
企業経営においても、同じです。
企業の状態を知る。計画を立てるためには、会計・経理などの知識や税法などの法律も、一般的な事は、身に着けておかなくてはいけません。
企業は、一般的には、利益を積み上げていく事で成り立っています。(他の手法もありますが)

利益=売上―原価

これ、当たり前のことですが、これが意外と奥が深いのです。

IT業界では、原価計算や、ソフトウエア勘定などの考え方も知らないといけないので、
日商簿記2級程度の知識があれば、よいと思ってください。
その他、税法などは、よく変わりますし、こういった事を、税理士や会計士に相談するとよいと思います。

先ほどの、病気の例えでも記載しましたが、病気が悪化してから病院へ行く。では、手遅れな時もあります。
企業における財務・会計も同様です。
常に、経営者がセルフチェックを行いながら、専門家へ相談する。そして、専門家とディスカッションができる知識は、最低でも身に着けておいた方がよいです。




  業務に必要な法律知識

最後に、「3.業務に必要な法律知識」についてです。
全ての取引は、契約によって成り立っています。
これは、法治国家である日本であれば、避けて通れない部分です。
逆に言えば、法律を知らずして、取引を進めるということは、糸の上を綱渡りしているようなもので、いつ切れてもおかしくない。という状態です。
例えば、弊社では企業との取引の際には、必ず「秘密保持契約」を締結します。
また、業務を請け負う際には、「業務委託契約」を締結します。
しかし、これらの締結を行わずに、業務を請け負ったり、取引を行っている企業が、とても多いのも事実です。また、フリーランスや個人事業主も同様です。

口頭発注などでも、成り立つ。というのは、確かにそうですし、いくら契約書を締結していても、その内容が法律に反するものであれば無効になるケースが多いです。
しかし、何かあった時に、全て話し合いで済むのでしょうか?
「長年の付き合いがあるから大丈夫」というセリフをよく聞きます。
でも、長年の付き合いがあっても、最終的には、あなたや企業を守ってはくれません。

自分自身を、企業自身のリスクを最小限に抑えるためのものです。
「ウチは、規模が小さいし、何とかなるよ」っていう経営者の方のセリフをよく聞きますが、
1人で企業経営をしている分には、それでも良いかもしれません。
しかし、そのような企業で、働きたいと思う人が、どれだけいるのでしょうか?

弊社では、早くから顧問弁護士事務所と顧問契約をしました。ラッキーだったことに、現在の顧問弁護士事務所である松田総合法律事務所の方々には、様々なエキスパートな方がいらっしゃり、多方面に渡る問題を相談でき、とても心強いです。

ここでも、次に、「2.会計・経理の知識」でも、記載しましたが、弁護士の方々とディスカッションをするためには。そして様々な相談をするためには、それなりの知識が必要です。

  最後に

私自身、ここで書かせていただいた事は、本来であれば、中学生、高校生の時に学ぶべきことであると思っています。
歴史や地理、化学や物理の知識も必要でしょう。英語も必要かもしれません。
ただ、それ以上に社会で生きていく。ために学ぶべき事の優先順位が違うように思います。

経営者として知っておくべきこと。というのは、本来、社会人になる。というときに知っておくべきこと。なのかもしれません。

ただ、学生から社会人になるタイミングで、このような事を教えてくれる人は、私の周りには、いませんでした。もしかしたら、誰かが話してくれていたのかもしれませんが、その時は、自分には、重要性が解っていませんでした。
そして、今も誰も教えてくれません。すべては、周りの先輩方をよくみて、話を聞き、自分で行動して身に着けてきました。

経営者としての知識もさることながら、一番は、孤独との闘いです。

経営者は、孤独であり、単独での決断を迫られる事が、多々あります。それは、良い事も悪い事も。
しかし、一人で全てを背負うことはなく、会計・経理については、税理士に。法律の知識は、弁護士に。
ITについては、IT支援を実施しているクラト株式会社が、経営視点からのIT支援を実施させていただきます。(IT顧問サービスを実施しております)

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